全国各地で空き家や使われなくなった建物が増えています。しかし、これらの建物は地域にとって貴重な資源でもあります。適切なリノベーションと新しい使い方を考えることで、まちの未来を切り拓く可能性を秘めているのです。
宮崎県都農町で、そんな可能性に挑戦し続けている株式会社イツノマは、まちづくりの視点から建築企画プロデュースを手がけ、地域に新しい価値を生み出しています。古い建物に新しい命を吹き込み、人々が集まる場所をつくることで、まちに新たな可能性を見出しているのです。
1.まちづくりにおけるリノベーションの重要性
旧歯科医院をリノベーションした「YARD1927」
地方都市の多くで空き家や使われなくなった建物が増加しています。これらの建物をそのまま放置すれば、まちの景観を損ねるだけでなく、防犯や防災の面でも問題となります。しかし、視点を変えれば、これらの建物は地域の歴史や文化を伝える貴重な資源でもあるのです。
地方都市が直面する空き家問題
全国の空き家率は年々上昇を続けており、特に地方都市では深刻な問題となっています。都農町でも、かつて賑わいを見せた商店街に空き店舗が目立つようになりました。しかし、これらの建物には、まちの記憶や人々の思い出が詰まっています。
既存建築物の可能性を活かす
古い建物には、現代では実現が難しい広い空間や、時を重ねた建材の味わいがあります。これらを活かしたリノベーションを行うことで、新築にはない魅力的な空間を生み出すことができます。たとえば、高い天井や大きな窓、木材の温もりなどは、新しい建物ではなかなか実現できない要素です。
リノベーションがもたらす地域活性化
リノベーションは単なる建物の改修ではありません。適切な企画とデザインにより、人々が集まる場所をつくり出し、まちに新しい流れを生み出すことができます。それは、まちの賑わいを取り戻すだけでなく、地域コミュニティの再生にもつながっていくのです。
2.イツノマの建築企画プロデュースアプローチ
旧金物店をリノベーションした「BUNMEI 」
イツノマでは、建物のリノベーションを単なる改修工事としてではなく、まちづくりの重要な要素として捉えています。地域の課題やニーズを丁寧に分析し、その場所にふさわしい使い方を提案することで、持続可能な場づくりを実現しています。
地域資源を活かしたデザイン
都農町には、まだ活用されていない魅力的な建物が数多く残っています。たとえば、1929年築の元金物店「文明堂」は、築90年以上の歴史ある建物でした。このような建物を活かすことで、まちの記憶を次世代に引き継ぎながら、新しい価値を生み出すことができます。
持続可能な運営モデルの構築
建物の改修だけでは、まちづくりは成功しません。イツノマでは、改修後の運営まで見据えた企画立案を行います。たとえば、HOSTEL ALAでは、ADDressと提携してリモートワーカーの利用を促進し、安定した運営を実現しています。また、都農ワインとの連携により、定期的なイベントも開催しています。
地域コミュニティとの協働
まちづくりの主役は、そこに暮らす人々です。イツノマでは、企画段階から地域の方々と対話を重ね、その場所に本当に必要な機能を見出していきます。BUNMEIでは、高齢者向けのITヘルプデスクや、創業支援のチャレンジカフェなど、地域のニーズに応える機能を備えています。
3.実績と成果
空き家をリノベーションした「HOSTEL ALA」
イツノマがこれまでに手がけた建築企画プロデュースの実例をご紹介します。それぞれのプロジェクトで、地域の特性を活かしながら、新しい価値を生み出すことに成功しています。
最初の実績、YARD1927
1927年に建てられた元歯科医院をリノベーションして、イツノマの本社兼コワーキングスペース「YARD1927」が都農町での最初の実績です。オフィス機能に加えて町の経営者が集まってまちづくりについて話し合うコミュニティスペースとしてイツノマが運営しています。
昨年からは、イツノマが運営する中学生の地域クラブ「まちづくり部」の部室としても活用。毎日、放課後は中学生たちが集まり、未来のまちづくりについて話し合っています。
BUNMEIの取り組み
1929年に建てられた元金物店「文明堂」は、多世代交流サロンとして新たな役割を担っています。高齢者がいつでも気軽にスマホやタブレットの使い方を相談できるITヘルプデスクや、都農町で飲食店を始めたい人を支援するチャレンジカフェなど、地域に必要な機能を詰め込みました。
2階は一般財団法人つの未来まちづくり推進機構の本社として活用されています。
HOSTEL ALAの挑戦
5,000㎡もの広大な耕作放棄地に新しい命を吹き込んだHOSTEL ALAは、まちづくりの拠点として大きな役割を果たしています。2軒の空き家と1台のトレーラーをリノベーションし、全14室19ベッドの宿泊施設として生まれ変わりました。
特筆すべきは、単なる宿泊施設ではなく「まちづくりホステル」としての機能です。テントサウナを常設し、都農ワインと連携した「ALAガーデン」を毎月開催。新しいことを始めたい人々が集まり、語り合う場所となっています。また、ADDressとの提携により、リモートワーカーの長期滞在も可能になりました。
まちの人が集まる場所づくり
これらの施設は、単なる建物としてだけではなく、人々が自然と集まり、交流する場所として機能しています。たとえば、HOSTEL ALAでは都農町内外の人々が出会い、新しいアイデアが生まれる場となっています。また、YARDやBUNMEIは世代を超えた学びと交流の拠点として、まちの未来を支える存在となっています。
4.地域との協働による価値創造
建物のリノベーションは、まちづくりのきっかけに過ぎません。大切なのは、その場所で生まれる人々のつながりと活動です。イツノマでは、地域の方々との協働を通じて、新しい価値を生み出し続けています。
地域経済への波及効果
リノベーション事業は、地域経済にも好影響を与えています。HOSTEL ALAでは、都農ワインとの連携イベント「ALAガーデン」を定期的に開催。地域の生産者や事業者との連携により、新たな経済の流れを生み出しています。また、リモートワーカーの滞在により、地域での消費も増加しています。
新たなコミュニティの形成
これらの場所は、新しいコミュニティの形成にも貢献しています。HOSTEL ALAには、まちづくりに関心を持つ人々が全国から集まり、新しいアイデアや交流が生まれています。BUNMEIでは、多世代が交流することで、世代を超えた学び合いや助け合いの関係が育まれています。
5.これからの展望と可能性
リノベーションによるまちづくりは、まだ多くの可能性を秘めています。イツノマは、これからも都農町で新しい価値の創造に挑戦し続けます。
地域の可能性を引き出すデザイン
建物は、その地域の歴史や文化を物語る貴重な資産です。それらを活かしながら、新しい価値を生み出すことで、まちの未来は大きく変わる可能性があります。イツノマは、建物の価値を最大限に引き出し、地域の未来につなげるデザインを提案し続けます。
イツノマの建築企画プロデュースサービス
イツノマは、建築企画プロデュースのプロフェッショナルとして、以下のようなサービスを提供しています:
– 現地調査と可能性の分析
– 地域に合わせた業態企画
– コンセプト策定とネーミング
– 事業企画とデザイン
– 収支計画と資金調達支援
– 設計施工マネジメント
– 営業戦略とPR戦略の立案
– 運営計画と経営管理支援
私たちは、まちづくりの視点を大切にしながら、建物の可能性を最大限に引き出すお手伝いをいたします。建物の活用でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
[お問い合わせはこちら]