2020年の学習指導要領改訂により、小学校に探究学習が本格的に導入されました。探究学習では、社会が抱える様々な課題を題材に、調べたり実験したりしながら、課題解決策を考えます。
この過程で、知識だけでなく、様々な力が身につくと言われています。
・自発的に問題を解決することで深い学びを体験
・問題解決のプロセスを通じた思考力、判断力、表現力など非認知能力
・主体的に課題に取り組むことによる自己肯定感や達成感
ぼくらは今年度より、都農町立の小学校3校の6年生を対象に、各校15時間ずつの探究学習を担当しています。
背景として、過去3年間、町内小学生有志を募り、町のゼロカーボン施策を議会で提言・推進する団体「Green Hope」の活動があります。
https://note.com/embed/notes/n0bc16275e3cb
2年目の2022年度、GreenHopeからゼロカーボン推進活動費として100万円の予算申請、議会の全会一致で承認されました。
https://note.com/embed/notes/na54eb3a353f3
過去3年の活動をベースに、今年度からは有志ではなく6年生全員へ発展させることとなりました。
探究学習のテーマは「ゼロカーボン」
1.ゼロカーボンを探究する「つの学」
昨年までも、スポットで5年生の授業をしていたこともあり、授業のはじまりはスムーズに。
メイン担当者のイツノマ渡邊佳の小学6年生時代の写真から、和やかにスタート。
ぼくらなりの探究のスタンスはフラットな自然体。
楽しみながら学ぶ、エデュテインメントを目指しています。
1学期は4時間、仕事の楽しさや将来のキャリアについて、一緒に考えて話し合ってきました。
2学期から、議会で提言するゼロカーボン施策を考えていきます。
最初に見せた2枚の写真
今年の台風で竜巻が発生したことは小学生たちも記憶に新しく。
さらに、最初の授業の1週間前に、線状降水帯で一部冠水も。
この災害に共通するのは異常気象、温暖化。
原因の多くをしめる二酸化炭素の削減アイデアを考えていくことがゼロカーボン施策になることをみんなと確認。
バリ島では、小学生のワイゼン姉妹の発信、行動で全島レジ袋が撲滅された事例も紹介
決して勉強としてだけではなく、実際に町を変えていくことにつながるつもりで提案しようね、と。
2.サーキュラーデザインに触れる
二酸化炭素を削減、というと難しくてかたくなりますが、世の中にはゼロカーボンを実現させるための、面白いアイデアや素敵なデザインのものがたくさんあることを共有。
1つは世界の事例。
グリーンピー
道路上の「ある行為」で植物の成長を促進させてるけど、さて何をするのでしょう?
イギリスには、食べたら消える包装があったり、
じゃがいもの皮でできてるメガネがあるそう!
もう1つは現物
ぼくらの私物を持参
見て触って匂いを嗅いで?w体感してもらいました。
NIKEのこのスニーカー、一体なんでできてるのかな?
ぼくがいつも使ってるバック、なにでできてると思う?
これは何するためのバックでしょう?
このストローはプラスチックじゃないけど、さて何でできてるかな?
都農町の小学生たちの人懐こさと無邪気さは半端なし!
錦江町の教育長や役場の方々が視察で見えてもいつも通り。
休み時間には腕相撲で白熱。
3.レゴでゼロカーボンアイデアをつくる
世界の事例や現物を体感したあとは、オリジナルのアイデア出し。
レゴ®️シリアスプレイ®️のメソッドを使い、楽しみながら、指で考えることを通して自分でも気づかない潜在的なアイデアがたくさん出ますように!
レゴに上手い下手はありません!
当然、正解もありません!
一人ひとり、つくった作品をみんなに教えてね!
大人と比べて”飲み込み”と”指の速さ”は驚きレベル。
二酸化炭素を削減、というテーマだけで、どんどんつくりはじめます。
自分の作品に愛情がこもりすぎて、写真をおねだりのポーズ
次のステップは、自分に似た作品を見つけて6チームをつくります。
6チームにわかれるのは難しいかなと先生に相談したところ
「自分たちでできると思います!まかせましょう!」
と力強いお言葉。
単なる仲良しで一緒にならずに、小学生たちだけで見事6チームに!
各自の作品を持ち寄りながら、チームとして新しいアイデアに発展!
東小学校は6年生が8人。
2人1組の4チームで考えました。
4.ゼロカーボン子ども議会開催日決定!
2学期最後の授業、冒頭で報告
ゼロカーボン子ども議会の開催日、2月17日に決定!
都農小学校、都農南小学校はそれぞれ、6チームのアイデアから3つに絞って、各チームから1人ずつ。議会での発表者3人を選出。2校で6人。
都農東小学校は、4チームのアイデアから2つの絞って、各チームから1人ずつ議会での発表者2人を選出
合計8人が、2月17日議場に!
残った小学生たちは、教室で議場からのライブ配信を見て応援!
いよいよ最終アイデアづくり。
提案するアイデアを1つに絞り、その具体的な内容を3つ考えます。
その次に、議会での提案が他人ごとや言いっぱなしにならないよう、
①自分たちでできること
②自分たちと大人たちでできること
③町でしてもらいたいこと
の3つに分けて、アクションプランを考えます。
レゴで考えたアイデアをもとに、もっと身近に、自分たちでもできる内容に落とし込んでいきます。
小学生たちの頭のやわらかさや、アイデアを出す力には脱帽。
大人だったら、前に考えた内容とか自分のアイデアに固執しがちだけど、いい意味で、こだわらない。どんどん前に進んでいきます。
決めたわけではないのに、ごく自然と、まとめ役が書き始めます。
ぼくたちや先生の発言もさりげなく反映して。
シートがどんどん埋まっていきます。
最後は、3校で合計16枚のシートが完成!
年明けには、16個のアイデアを8個に絞って、議会での提案準備に移ります。
議会での提案の様子は続報でお伝えします!!